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SAPの2025年問題が保守延長で2027年に! 期限切れまでに企業が取るべき2つの選択肢

多くの企業が抱えるビジネス課題を解決してきた統合基幹業務システム「SAP ERP」は、長年に渡り世界No.1のシェアを守り続け、日本国内でも約2,000社が導入しているといわれています。

日本のみならず世界中の企業がSAPを活用して日々の業務を行っていますが、SAPユーザー企業が直面しているのが、SAP2025年(2027年)問題です。

今現在SAPを利用しているすべての企業が直面する問題です。早め早めに対策を練り、自社に適した選択肢を選べるようにしておきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.SAP2025年(2027年)問題とは
    1. 1.1.肥大化するシステムと失われていくリアルタイム性
    2. 1.2.リアルタイム性を追求したSAP S/4 HANAのリリース
  2. 2.SAP2027年問題で企業が取るべき2つの選択肢
    1. 2.1.1. SAP ERPの利用を継続する
    2. 2.2.2. 他ERP製品への刷新
  3. 3.SAP S/4 HANAへ移行するメリット
    1. 3.1.ゼロレスポンスタイムの実現
    2. 3.2.情報をスピーディに調達できる
  4. 4.まとめ

SAP2025年(2027年)問題とは

SAP2025年問題とは、SAP社が展開するシステムERPソフトウェアの2025年保守サポート終了通告を指す呼称です。日本国内だけでもSAPユーザー企業は約2,000社といわれている中、ERP製品は企業のビジネスを根底から支えるIT基盤のため、その影響度は計り知れません。

これまでは保守期限が2025年だったことからSAP2025年問題と呼ばれてきましたが、ドイツ時間2020年2月4日、欧州SAPがSAP ERPの保守期限を「2025年末から2027年末へ変更する」と発表。実質2年間の延長になりましたが、プラス2年間で解決できるかは依然として課題であり、呼び名が「SAP2027年問題」に置き換わるのみではないかとも推測できます。

しかしなぜ、SAPはERPの保守期限を2027年に終了すると決断したのでしょうか。その背景について以下の項目で解説します。


肥大化するシステムと失われていくリアルタイム性

SAP ERPは統合基幹業務システムソフトウェアとして長年市場を引っ張ってきましたが、その裏側には、リアルタイム性の実現が困難になってきたという課題もありました。

企業の基幹システムであるERPは、時代とともに機能の拡張を繰り返してきましたが、利用者がいる以上は従来の機能も維持していかなければなりません。搭載される新しい機能と従来の機能との整合性を維持するためには、膨大なデータ量を要するうえ、構造も複雑化していきます。システムが肥大化していく中で、リアルタイム性が次第に失われていくことは防げない課題でした。


リアルタイム性を追求したSAP S/4 HANAのリリース

そうした背景の中で登場した、インメモリデータベースSAP HANAを基盤とする新ERP製品である「SAP S/4 HANA」。リアルタイムですべてのデータを回すことが目標のSAPにとって、リアルタイム性を追求し、高速データ処理に特化したデータベースであるインメモリデータベースSAP HANAの普及は重要なテーマになります。「リアルタイム性が欠如した従来のSAP ERPから、最新のSAP S/4 HANAへ移行してもらいたい」というのが保守サポート期限の終了を決断した本質的な狙いと考えられますが、ERPベンダーとしては当然のビジネス戦略だといえます。



SAP2027年問題で企業が取るべき2つの選択肢

上述した背景が主な理由にあり、SAP ERPの保守サポート期限は2027年末に終わりを迎えます。期限が切れるまでにSAPユーザー企業が取るべき選択肢は大きく分けて2つです。


  1. SAP ERPの利用を継続する
  2. 他ERP製品への刷新


保守サポート期限が切れるのは2027年になるため、上記選択肢を決断するまでの時間は7年間です。この7年間で、SAPユーザー企業が取るべき2つの選択肢について詳しく見ていきましょう。


1. SAP ERPの利用を継続する

SAP2027年問題で企業が取るべき選択肢の1つ目は、そのまま従来のSAP ERPを継続して利用するという方法です。2027年に終了するのはメインストリームサポートで、セキュリティプログラムは継続して更新されるため、2027年以降であっても従来のSAP ERPを使い続けることは可能です。

しかし、すぐに大きな問題が起きるわけではありませんが、従来のSAP ERPを使う場合は以下の点を考慮する必要があります。


  • 新しい機能やデザインの更新がされない

  • システム品質の改善がされない

  • 修正プログラムが提供されない


致命的なのは、システムに障害が発生した場合でも、従来のSAP ERPは2027年以降サポートされないという点です。

セキュリティプログラムの更新は継続的にされるため、システムが使えなくなったりセキュリティ面で問題が発生したりすることはありませんが、万が一のシステム障害で業務が停止するかもしれないというリスクは考えておく必要があります。

さらに、従来のSAP ERPを継続して利用する場合、リアルタイム性の欠如という問題は一生解決されることがありません。その点をどう捉えるかは自社の状況や戦略に合わせて検討していくことが大切です。


2. 他ERP製品への刷新

SAP2027年問題で企業が取るべき選択肢の2つ目は、従来のSAP ERPの稼動を止めて、別のERP製品を導入するという方法です。

SAPユーザーの方におすすめなのは、SAPが導入を推奨しているSAP S/4 HANAへの刷新です。引き続きSAP製品を使用しサポートを受けられるという点で、SAP製品との相性が良いと感じている企業にとっては選択すべきベストな方法といえます。

SAP S/4 HANAはインメモリデータベースSAP HANAを基盤にしたERPで、シンプルなシステムと超高速データ処理を実現できるため、従来のSAP ERPでは欠如していたリアルタイム性の実現が可能です。

保守サポート期限を理由に刷新を検討する場合は、まずはSAP S/4 HANAの導入を考え、そのうえでビジネス要項、自社ニーズ、業務フロー、コストなどを加味し、他のERPソリューションを検討していくという流れが最も効率的だと考えられます。



SAP S/4 HANAへ移行するメリット

SAPのインメモリデータベースSAP HANAを標準プラットフォームとするSAP S/4 HANA。SAP2027年問題に対して大きな不安を抱えている方に、SAP S/4 HANAへ移行するメリットを紹介します。


ゼロレスポンスタイムの実現

SAPの革新的技術であるインメモリデータベースSAP HANAを全面的に採用したSAP S/4 HANAでは、今まで実感したことのない速度でのデータ処理が可能になります。

ほぼすべての業務で高い処理スピードを実現できるので、ゼロレスポンスタイムを目指すことが可能になります。


情報をスピーディに調達できる

従来のSAP ERPでレポーティングや分析など戦略経営に結びつくような情報を取得しようとすると、ERPとは別に構築した個別のDWH(データウェアハウス)が必要でした。

しかし、SAP S/4 HANAでは同一プラットフォームでビジネスに欠かせない情報を調達することができます。これにより、経営意志決定に欠かせない判断材料の情報をスピーディーに調達できるようになるため、ビジネスプロセスの見直しが従来よりも簡単になるでしょう。



まとめ

SAP ERPの保守サポート期限が終了することで全SAPユーザー企業の頭を悩ませているSAP2025年問題は、2027年へ保守サポート期限が延長されたことにより、SAP2027年問題へと据え置きになりました。

保守期限が2年間延長されたとはいえ、SAP ERPを継続して利用するか、SAPが推奨するSAP S/4 HANAへ刷新するかの選択肢を迫られている状態には変わりありません。

これを機に基幹システムを刷新し、SAP S/4 HANAにしようと考えている方は、世界の統合インフラ市場をリードしているシスコシステムズと、ストレージ市場を長年リードしている日立製作所がタッグを組んで提供している「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」の利用を合わせてご検討ください。

Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsは、SAP社の認定を取得した、シスコシステムズの「Cisco UCS (Unified Computing Sysmtem)」と日立製作所の「Hitachi VSP (Virtual Strage Platform)」を採用しており、信頼性の高いSAP HANA向けの環境を迅速に安心して用意することができます。また、日立製作所社内での採用実績もある堅牢なSAPプラットフォームとして利用中で、この導入ノウハウを活かしてシスコ・日立製作所・CTCはSAPプラットフォーム導入の支援を行います。

さらに、Cisco AppDynamicsを組み合わせることで、システム全体のパフォーマンス監視による継続的なチューニングとトラブル対応ができ、Cisco AppDynamicsによるSAP ABAPソースコード解析などにより、迅速なSAP S/4 HANA移行を促進し、かつ容易なソースコードのメンテナンスも可能となります。

また、新しいシステム環境に移行する場合も、日立製作所のストレージ仮想化技術であるUVM(Universal Volume Manager)により、既存ストレージからの迅速なデータ移行、異機種混在環境での一元的な利用が可能となります。

迫り来るSAP2027年、保守サポート期限が切れるまであと7年です。ビジネスを根底から支えるIT基盤であるSAP ERPの刷新を含めた選択肢の決定は、できるだけ早くしておきましょう。

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