M&Aや業務改善におけるシステム統合の重要性と抱えている問題点
買収や合併によって複数の企業が一つの企業になるM&A(Mergers and Acquisitions)。
M&Aの際には、それぞれの企業の情報システムをいかにスムーズに統合できるかが、今後の経営を担う重要なポイントになります。特に、情報化が進んでいる大企業や情報システムそのものが経営の根幹になっている企業では、情報システムの統合が経営統合の成功を決めるといっても過言ではありません。
統合企業の営業開始までの期間は短い傾向にあるため、エンジニアは大規模なシステムを素早く構築する必要性に迫られますが、M&Aによる企業統合後、運営を軌道に乗せるためには情報システムの統合は最初の関門であり、経営戦略の要となっています。
また、情報システムの統合はM&Aに限った話ではありません。
システムが複雑化している企業や、部署ごとに異なるモデルでシステムが乱雑に管理されている企業においても、情報システムの見直し・最適化は、業務改善を図るうえで大きな課題です。
本記事では、情報システム統合の重要性や統合時の問題点などを詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.企業にとって情報システム統合は重要ポイント
- 1.1.新システムの開発
- 1.2.既存システムをメインに進める
- 1.3.既存システムを組み合わせる
- 2.情報システム統合が抱える問題点
- 2.1.新システムの構築に手間がかかる
- 2.2.システムの移行はスムーズに行う必要がある
- 2.3.セキュリティの確立が難しい
- 3.Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsならスムーズにシステム統合が可能
- 3.1.実証実験を行う時の手間を大幅に削減できる
- 3.2.スピーディーにシステムを構築できる
- 3.3.柔軟な対応でリスクを軽減できる
- 3.4.機種の異なる複数のディスクアレイを一元管理可能
- 3.5.アプリケーション、システムを可視化、最適なサイジングを分析
- 4.まとめ
企業にとって情報システム統合は重要ポイント
M&Aや社内の業務改善など、情報システムの統合が求められる場面は数多くあります。
システムの統合には複数の方法があるため、いくつか紹介します。
新システムの開発
一つ目の方法は、既存のシステムではなく、全く新しいシステムを開発し企業に浸透させる方法です。業務の効率化や自動化を実現できれば、今まで以上にビジネスを推進できる可能性が高まります。
しかし、新システムの開発においては、要件定義や設計を何度も検討し協議していく必要があるため、システム移行には相当な準備期間を要します。仮に短期間で済ませようとした場合、不具合や重大なインシデントが起こるリスクを含みます。
既存システムをメインに進める
次に、既存システムの中でも、特定のシステムをメインに統合を行う方法です。一つのシステムに合わせて統合を行うため、不具合のリスクが比較的少ないことや、一からの開発と比べると準備期間が短くなることがメリットです。
しかし、特にM&Aの際には「どのシステムを利用するのか?」という激しい網引きが発生し、合わせる側には負担が生じてしまいます。
既存システムを組み合わせる
最後に、各システムの良い部分だけをピックアップした別のシステムを構築する方法です。ある程度は既存の要件定義や設計の使いまわしがきくため、構築期間を短縮しつつ、各システムの特徴を生かすことができます。
しかし、新機能の拡張などには対応できない可能性も含みます。
情報システム統合が抱える問題点
情報システムの統合を行う際には多くの問題がつきものです。統合時に注意するべき問題点について詳しく解説します。
新システムの構築に手間がかかる
上述したどのパターンでシステムを統合するとしても、大きな手間はかかります。
経営陣が情報システム統合の重要度を把握していない場合は軽視されがちになってしまいますが、企業にとって要となるため、システムの構築は慎重に行う必要があります。
特に、M&Aを行った際には新企業を発足して間もないため、プロジェクトチームのまとまりがない場合もあり、エンジニアへの負担はとても大きくなることが予想されます。
システムの移行はスムーズに行う必要がある
一般的にM&Aを行った際には、先に合併や吸収を告知し、その後、詳しい経営や方針についての話し合いがされるため、システム統合はM&Aの発表から運営開始までの限られた期間でスムーズに行う必要があり、綿密なスケジューリングは必要不可欠になります。
また、企業内でのシステム統合を行う際にも、システム移行が滞ると業務に支障をきたす可能性もあります。どれだけ正確かつスピーディーに新システムへ移行できるかが課題です。
セキュリティの確立が難しい
システムを構築する以上、セキュリティの確立は最優先事項ですが、事前検証などには多くの時間と労力を要します。短期間での開発が求められているときには、十分なセキュリティ要件を満たせず、結果的に運営開始日を延期せざるを得ない状況にもなりかねません。
Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsならスムーズにシステム統合が可能
シスコのサーバ「UCS(Unified Computing System)」と日立のストレージ「VSP(Virtual Storage Platform)」を用いて、両社の強力なタッグで実現した「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」は、情報システム統合の際に起こる課題点を容易にクリアできるため、準備期間が短くても円滑にシステム統合の実現が可能です。ソリューションの特徴について詳しくご紹介します。
実証実験を行う時の手間を大幅に削減できる
システムを滞りなく導入するためには何度も検証を行う必要がありますが、Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsはシスコと日立が共同で開発を行い、事前検証済みの統合プラットフォーム環境を提供できるため、手間をかけずにシステム統合を実現できます。
スピーディーにシステムを構築できる
Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsは、シスコによるCisco Validated Designの認定を受けており、仮想化基盤向けに公開されている詳細な設定手順により、スピーディーにシステムの構築ができるため、スケジュール調整などの見通しが容易になります。試算では、従来の1/7の期間で構築が可能であり、素早い導入には絶対の自信があります。
柔軟な対応でリスクを軽減できる
増設やスケールアウトにも柔軟に対応しています。小規模の導入も可能で、リスクを抑えながらも性能の高さはしっかり維持できます。シスコのセキュリティ技術、日立の堅牢で高信頼なストレージにより、安全性も兼ね備えているため、システム統合には最適な方法です。
機種の異なる複数のディスクアレイを一元管理可能
日立のストレージ仮想化技術の一つであるUVM(Universal Volume Manager)により、機種の異なる複数のディスクアレイを一つのディスクアレイであるかのように統合できるため、既存ストレージからのデータ移行、異機種混在環境での利用を一元化することが可能となっています。
アプリケーション、システムを可視化、最適なサイジングを分析
AppDynamicsを利用することで、アプリケーションの依存関係、コード、パフォーマンスを分析することができます。Cisco Workload Optimization Managerは、システムを可視化しアプリケーション、ハードウェア、仮想マシンなどの環境の依存関係を自動的に収集することができます。合わせてハードウェア、仮想マシンの最適なサイジング分析を行うことが可能です。AppDynamicsとCisco Workload Optimization Managerの連携で最適な移行環境を分析し実行することができます。
まとめ
M&Aはもちろん、社内の業務改善を図る際にも、情報システムの統合は企業の今後を背負っているため、徹底したプロジェクト管理と、情報システム統合における問題点をどのように解決していくのかが鍵になります。
シスコと日立が共同で開発を行ったCisco and Hitachi Adaptive Solutionsでは、安全・安心かつ迅速に、仮想化技術を利用した新システムの構築・統合ができるうえ、他社製品からの移行も問題なく行うことができます。
また、Cisco and Hitachi Adaptive Solutionsでは、新システム構築のスピードを1/7に短縮できるだけではなく、構築のコストを二割削減することも可能となっています。
新システム開発やシステム移行をお考えの方はCisco and Hitachi Adaptive Solutionsの導入をご検討ください。