顧客データ活用のポイントとは
様々な業種・業界で顧客への戦略的なアプローチに活用されている顧客データ。
顧客データはインターネット社会の現在において、ニーズを把握するために不可欠なデータといえます。
ただし、顧客データは適切に管理し、整理しておくことでより効果を発揮します。
本記事では、顧客データ活用を活用する際のポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.なぜ顧客データが注目されるのか
- 2.まずはデータ整備から始めよう
- 3.セグメントを把握して施策を考えよう
- 3.1.セグメンテーションとは
- 3.1.1.セグメンテーションの方法
- 3.2.ターゲットを絞る基準
- 3.2.1.4R
- 3.2.1.1.Realistic(規模の有効性)
- 3.2.1.2.Rank(優先順位)
- 3.2.1.3.Reach(到達可能性)
- 3.2.1.4.Response(測定可能性)
- 4.まとめ
なぜ顧客データが注目されるのか
パソコンやスマートフォンの普及により、多くの人がインターネットを利用して情報収集を行うことが当たり前になっています。
また、操作は簡単で場所や時間を選ばないという利便性から、ネットショッピングを利用する消費者も増加しています。
総務省の家計消費状況調査では、2020年6月時点のネットショッピング利用世帯(二人以上の世帯)の割合は50.8%と約半数でした。高齢世帯主の世帯でも増加が見られており、同年同月の割合は31.2%と世代を問わず利用が広がっていることが分かります。
出典:総務省:『統計Today No.162』
近隣の店舗だけが競合だった時代は終わり、現在ではインターネットを介した世界が広がっているのが現状です。
このような中、他社との競争優位性を保つためには、ターゲットを絞った適切なアプローチが重要といえます。
そのために必要なのが顧客データです。顧客データは効率的な営業活動を行うために不可欠な要素です。販売促進力を高め、継続して売り上げを確保していくためにも、顧客データ活用のニーズが高まっています。
まずはデータ整備から始めよう
社内業務の効率化のためツールを活用している企業も多いのではないでしょうか。各部署や業務ごとに最適化したツール、そしてそれぞれの独自のルールで運用されているケースも見られます。
このようなケースでは、顧客データは以下のような状態になっていることもあります。
- 複数のツールで個別のシステムにデータが管理されている
- システムごとにデータの表記がバラバラになっている
- 必要な情報が不足している
- マスタとなっているデータが重複している
顧客データを活用する際、まず取り組む必要があるのがデータ整備です。
顧客データを整理すると有用なデータが増加します。有用なデータ、すなわち営業活動で使用できる顧客データが増加すれば、これまで以上に多くの顧客を獲得できる確率も高まるでしょう。
顧客データの整備では、主に以下を実施します。
- 散在しているデータを集める
- データの表記をそろえる
- 不足している情報を補い、最新の状態にする
- 重複データは取り除く
日常的にメンテナンスを行うことで、データの状態も向上します。より顧客のニーズに近い戦略的なアプローチも可能となります。
セグメントを把握して施策を考えよう
セグメントとは、端的にいうと、特定の属性を持ったグループのことを指します。
「顧客データをどのように活用すればよいのか分からない」「顧客データから何が読み取れるのか分からない」という方もいらっしゃるでしょう。
顧客データを整備し、適切に整備するだけでも、顧客のセグメントが把握でき、自社の顧客にどのような人が多いのかが見えてきます。
この章では、顧客のセグメントを把握する方法“セグメンテーション”について解説します。
セグメンテーションとは
セグメンテーションは、自社の商品やサービスをどのような層にアプローチすればよいのかを見極めるために行う手法です。自社の商品・サービスが位置している市場に存在している顧客を、複数の切り口で細かいグループに分け、販売戦略を考えます。効果が高いセグメントを選択して経営資源を集中させることで、収益性の向上を狙います。
セグメンテーションの方法
セグメンテーションには、以下の変数が使われるのが一般的です。
地理的変数
地理的変数は、地理的な要素で分類・整理する際の基準です。
地理的変数には以下のような切り口があります。
- 地域:東日本・西日本など
- 地方:関東・中部・近畿など
- 駅の有無:ターミナル駅あり・郊外の駅あり・駅なしなど
- 人口密度:都市部・郊外・地方など
- 生活習慣:コンビニエンスストアのおでんの具・味付けなど
人口動態変数
人口動態変数は、消費者の属性で分類・整理する際の基準です。
人口動態変数には以下のような切り口があります。
- 年齢:10~20代・30代以上など
- 性別:男性・女性など
- 婚姻関係の有無:未婚・既婚など
- 所得:200万円未満・200~300万円未満など
- 学歴:中卒・高卒・大学卒など
- 職業:製造業・建設業・ITサービス業など
心理的変数
心理的変数は、消費者の性格やライフスタイルで分類・整理する際の基準です。
心理的変数には以下のような切り口があります。
- 性格:権威主義的・神経質・社交的など
- ライフスタイル:ブランドを重視・素材を重視など
- 社会階層:下・中の下・中・中の上・上など
行動変数
行動変数は、消費者の行動パターンや知識の有無、反応などで分類・整理する際の基準です。
行動変数には以下のような切り口があります。
- 利用シーン:毎日使う・休日に使う・特別なときに使うなど
- 利用率:ライトユーザー・ミドルユーザー・ヘビーユーザーなど
- 知識の有無:知らない・名前のみ知っている・商品について詳しく知っているなど
ターゲットを絞る基準
セグメンテーションを行う際、不必要に細かくすると、ターゲットを絞るのが難しくなります。セグメンテーションを実施したあとは、ターゲットを絞りましょう。
「そのセグメントで売り上げを得られるか」「消費者にリーチできるか」など、将来的な可能性を視野に入れて検討すると、より精度が高いデータ活用が行えます。
ターゲットを絞る際には、以下の“4R”と呼ばれる基準が参考にできます。
4R
Realistic(規模の有効性)
セグメンテーションで分類されたセグメントをターゲットとした場合、実際に売り上げや利益を得られる規模かどうか、有効性を判断します。
Rank(優先順位)
優先度が高いセグメントからターゲットを絞ることが基本です。
Reach(到達可能性)
選択したセグメントで商品・サービスを提供できるか、プロモーションを行って消費者にリーチできるかを判断します。
Response(測定可能性)
消費者にリーチした場合、反応や効果を測定できるかもチェックする必要があります。
顧客データを整備すると、自社の商品・サービスはどのような人が利用しているのかが見えてきます。
セグメンテーションやターゲティングを通して、顧客の興味関心もつかめてくるでしょう。
顧客を正しく理解できれば、それぞれに適した販促を考えられます。
まとめ
顧客データは顧客への効率的なアプローチを行うために不可欠です。顧客データは、企業や部署ごとに最適化された様々なツールに蓄積されていますが、しっかりと整備できている企業は少ないのではないでしょうか。
顧客データは適切に管理し、整理しておくことでより効果を発揮します。ただし、データが多いほど、データを整備することは負担が大きく煩雑です。
膨大な顧客データを組織的に活用するにはツールの力を借りることも有効です。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の提供する顧客データ統合ソリューション『Spectrum™(スペクトラム)』(※)は、企業内で個別に管理されている様々な顧客データを取り込み、データクレンジングや名寄せなどが行えるソリューションです。
品質の高い顧客データに整備し、高度なマーケティングや分析を実現します。
膨大な顧客データを活用できていないとお悩みの方はCTCにお問合せください。
※ Spectrumのサービス提供はCTCでは現在行っておりません。