情報管理の改善はデータ統合から! データ統合のメリットや統合の注意点を紹介
業種を問わず、様々な企業で推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)。多くの企業が業務システムやデジタルツールを活用し、生産性や収益性の向上に努めています。
多くの場合、業務ごと・部署ごとに対応が異なっており、たとえば、営業部門はBIツール、経理部門は顧客管理システムというように個別のシステムを、クラウドもしくはオンプレミスで利用しています。
しかし、便利な個別のシステム利用には、複数のシステム・ツールがサイロ化しているマイナスの側面もあります。
このような状況では、企業全体でのデータ利用が難しく、せっかくのデータを活用できているとはいえません。
本記事では、データを有効活用するために必要な情報管理の第一歩となるデータ統合について解説します。
目次[非表示]
- 1.データ統合が求められる理由
- 2.データ統合とは?
- 3.データ統合のメリット
- 3.1.情報を可視化できる
- 3.2.ツールとの連携が可能になる
- 4.まとめ
データ統合が求められる理由
多くの企業で業務の個別最適化が行われ、様々なツールを活用して業務効率化が行われています。
たとえば小売業の場合、以下のようなシステムを活用しているのではないでしょうか。
- 仕入管理システム(商品部)
- 在庫管理システム(商品部)
- 販売管理システム(商品部・店舗)
- POSシステム(店舗)
- 発注システム(商品部・店舗)
- 顧客管理システム(営業部・経理部)
- 会計システム(経理部)
これらのシステムは一例ですが、多くの企業で複数のシステムがサイロ化していることが一般的です。それぞれの業務に特化しているため、他のシステムとデータの形式や項目なども異なります。
さらに、これらのシステムには毎日のようにデータが更新されています。データは溜まる一方で、リアルタイムのデータを有効活用できていないのが実情です。
そこで有力となるのが“データ統合”という方法です。このように散在したデータを統合することで、データの有効活用に貢献します。
データ統合とは?
データ統合とは社内に散在しているデータを一元的に管理するための方法を指します。
複数のシステムのデータをまとめ、全社で横断的に管理することでデータの収集や整備の工数が不要になります。いつでも必要なときにデータにアクセスでき、データの有効活用が期待できます。
データ統合には、次のような作業が必要になります。
データの表記統一
データを統合するにあたって、必須なのが表記統一です。複数の担当者が管理している状況では、同じ項目で表記が統一されていないケースが多く見られます。
例)
データA:株式会社○×△/データB:(株)○×△
データA:令和3年/データB:2021年
こういった表記の違いを任意の表記に統一します。
重複データの削除
次に、重複データを取り除きます。同じ顧客でも、表記が揺れた状態で複数のデータとして存在していることがあります。表記揺れを統一したら、重複データをまとめましょう。
データの名寄せ
データの表記揺れや重複などを正したら、データを名寄せします。
以下の表を見てみましょう。
名寄せ前
氏名 |
生年月日 |
住所 |
購入金額 |
中山 留美子 |
1978/07/29 |
鳥取県東伯郡琴浦町中津原7-2-6 中津原アパート1号 12階 |
5,000 |
長谷川 兼典 |
1989/05/27 |
三重県北牟婁郡紀北町海山区引本浦9358 |
9,700 |
中山 留美子 |
鳥取県東伯郡琴浦町中津原7-2-6 中津原アパート1号 12F |
3,000 |
|
亀井 由治 |
1973/5/17 |
有田郡有田川町中原5-15-9 |
12,000 |
この表では、「中山 留美子」が二ヶ所あり、そのうち一方には生年月日が記載されていません。こうしたデータが間違いなく同一の顧客かどうかを確認し、一つのデータにまとめるのが名寄せです。
名寄せ後
氏名 |
生年月日 |
住所 |
購入金額 |
中山 留美子 |
1978/07/29 |
鳥取県東伯郡琴浦町中津原7-2-6 中津原アパート1号 12階 |
8,000 |
長谷川 兼典 |
1989/05/27 |
三重県北牟婁郡紀北町海山区引本浦9358 |
9,700 |
亀井 由治 |
1973/05/17 |
和歌山県有田郡有田川町中原5-15-9 |
12,000 |
こういった作業はデータが多いほど、手作業で行うのは困難です。よりスムーズに行うためには、データ表記の統一化や、重複が削除できるソリューションの活用もおすすめです。
データ統合のメリット
ここからは、データ統合のメリットを紹介します。
詳しく見てみましょう。
情報を可視化できる
データを統合すると、経営情報などあらゆる情報の可視化が可能になります。
データはあらゆる角度・切り口で分析されますが、一つのデータのみではあまり意味ありません。複数のデータを組み合わせることでより立体的になるのです。
顧客データと、外部データを突合させたり、アンケートデータや緯度経度情報などを組み合わせたりすればさらに横断的な分析も可能になります。
このようなデータであれば高度なマーケティングも実現可能です。
ツールとの連携が可能になる
システムごとにデータ形式が異なる場合、他のツールやアプリとの連携ができないことがあります。データ形式が統一化されていれば、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールや業務アプリとの連携も容易になります。
また、問題の早期発見・早期解決、クロスセル・アップセルといった施策や新しいビジネスの創出のきっかけにもなるでしょう。
まとめ
それぞれの業務に特化したツールが導入されたことで、業務効率化が進んだという企業も多いでしょう。
一方で、個別最適化が進んだばかりに複数のツールがサイロ化し、データを上手に活用できていないというケースも珍しくありません。
DXの推進が高まるなか、データを有効活用するためには、情報管理を改善していくことが大切です。
その第一歩はデータの統合。サイロ化した膨大なデータはデータ統合ツールを活用して、一元管理しましょう。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の提供する『Spectrum™(スペクトラム)』(※)は、データを整形や名寄せができるデータ統合ツールです。Spectrumはデータの表記上の誤りや重複を正しい状態へアップデート。統合したデータはほかのツールやアプリと連携できるため、全社横断的な業務効率化にも役立つでしょう。
企業の資産といえる各種データは、Spectrumで情報管理の精度を向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。
※ Spectrumのサービス提供はCTCでは現在行っておりません。