社内DXが求められる理由とは? 優先度の高い項目や効果的なツールを紹介
業種を問わず、さまざまな企業で推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)。そもそもDXとはどのような取組みを指すのでしょうか。経済産業省では以下のように定義をしています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
出典:経済産業省『「DX 推進指標」とそのガイダンス』
つまり、デジタル化・IT化はあくまでDXの手段であり、目的はその先の業務改善、ひいては経営改善といった部分であると考えられます。
経済産業省では、DXの必要性やめざすべき方向性を説いた『DXレポート』を展開するなど国内の推進を後押ししていますが、なぜこのようにDXが求められているのでしょうか。
本記事ではDXが求められる理由や優先して進めたい事項、スムーズなDX推進に効果的なツールについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.社内DXが求められる理由
- 1.1.「2025年の崖」への対策
- 1.2.業務環境の変化
- 2.優先度の高い項目
- 3.DX推進において効果的なツール
- 4.まとめ
社内DXが求められる理由
DXが求められる理由はいくつか挙げられますが、ここでは、そのうち代表的な2つを解説します。
「2025年の崖」への対策
2025年の崖とは、企業が“レガシーシステム”を使い続けることで起こりうる問題の総称です。
レガシーシステムとは、主に、旧来の技術で作られたシステム、すなわち古くなってしまったシステムを指します。
システムは通常「作って終わり」ではなく、導入後も機能の追加・改善などを繰り返し行いながら使っていくことが一般的です。
一方、長年にわたって機能の追加や改善を繰り返してきたシステムは、一見問題なく稼働していても、蓋を開けると問題が露呈するといったケースも少なくありません。
長年追加されてきた処理により構成が複雑になっていたり、当時の開発手法を熟知している技術者が不足してしまったりという、システムの肥大化・複雑化・ブラックボックス化を招き、これにより、保守・運用が困難になると考えられています。
この問題を放置することによるリスクは、障害の発生やパフォーマンスの低下、ビジネス対応の遅延などが挙げられ、対策を講じない場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるともいわれています。
そのため、既存システムの刷新・入れ替え・リプレイスは、DXにおいて検討が必要な一つのテーマです。
業務環境の変化
時代とともにIoTやクラウドサービスなど、業務効率・品質を向上するシステムが普及し、業務環境に変化が見られています。
最近では新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からビジネスシーンでも非対面が求められ、テレワークやWeb会議も一般的となっています。さまざまなデジタルツールやオンラインサービスの台頭、データ活用などが身近になっており、消費者の価値観やニーズも変化しています。
こうした社会変化に伴うニーズに合わせた業務環境を提供することも必要です。
社内DXでは、デジタル化やIT化を推進して、組織や働き方の変革をめざすことが求められます。
優先度の高い項目
経済産業省が取りまとめている『DXレポート2中間とりまとめ(概要)』では、直ちに取り組むべきアクションとして以下の事項を挙げています。
■業務環境のオンライン化
- テレワークシステムによる執務環境のリモートワーク対応
- オンライン会議システムによる社内外とのコミュニケーションのオンライン化
■業務プロセスのデジタル化
- OCR製品を用いた紙書類の電子化
- クラウドストレージを用いたペーパーレス化
- 営業活動のデジタル化
- 各種SaaSを用いた業務のデジタル化
- RPAを用いた定型業務の自動化
- オンラインバンキングツールの導入
■従業員の安全・健康管理のデジタル化
- 活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理
- 人流の可視化による安心・安全かつ効率的な労働 環境の整備
- パルス調査ツールを用いた従業員の不調・異常の早期発見
■顧客接点のデジタル化
- 電子商取引プラットフォームによるECサイトの開設
- チャットボットなどによる電話応対業務の自動化・オンライン化
出典:経済産業省『DX レポート 2 中間取りまとめ (概要)』
取組む事項が多く、DXにおいてはたびたびコスト面の懸念が聞かれることもあります。同時進行が困難な場合は、スモールスタートで取組むという考え方も大切になるでしょう。
DX推進において効果的なツール
社内DXを推進するには、身近な社内業務からはじめる方法もあります。
なかでも、業務環境のオンライン化と業務プロセスのデジタル化については、業務効率・品質の向上に直結するため、率先して取り組みたい部分といえます。
▼業務環境のオンライン化
- Web会議システムの活用
- クラウドの活用
クラウドやITシステムを活用して、業務環境をオンライン化すれば遠隔地とのコミュニケーションも可能です。場所を選ばずに業務を行えるようになるため、テレワークを実現でき、働き方の多様なニーズに応えられます。
▼業務プロセスのデジタル化
- RPAツールの活用
- ITシステムの活用
デジタル化を前提として業務プロセスの見直しを行えば、データの利活用も可能になります。デジタルデータであれば、業務の自動化はもちろん、社内に点在していたデータの一元管理も容易になります。複数のシステムと連携させれば業務効率化も可能です。生産性向上が期待でき、競争力の強化も期待できます。
DX推進をオールインワンでサポートするスマートAIボード
スムーズに社内DXを推進するには、組織内での協力関係が不可欠です。
まずは自社の会議の効率化を目標に、コミュニケーションツールを活用したDX推進に取り組んでみてはいかがでしょうか。
電子ホワイトボードのスマートAIボードは社内のDX推進に役立つツールです。カメラ・マイク・スピーカーなど会議に必要な機材を一元化しており、双方向のコミュニケーションを実現します。Windows10を搭載しているため、手軽にWeb会議を開催できます。発話者に対してAIが自動でクローズアップするため、だれが発言しているのかが分かりやすいのもスマートAIボードの強みです。オンライン参加者とオフライン参加者が混在する会議などでは一層力を発揮します。
また、パソコンやタブレット、スマートフォンの画面を大画面に表示・共有でき、直接操作や書き込みにも対応します。業務の指示やレビューなども具体的かつ視覚的に指示することができるため、生産性の向上が期待できます。
まとめ
インターネットをはじめとした数多くの技術革新に伴い、各企業でもDXの推進が求められています。
DXが求められる理由には、既存システムの老朽化により発生する2025年問題の対策や、社会のニーズに合わせた業務環境の構築などが挙げられます。
しかしながら、DXを推進するにはコストも発生します。着手するポイントを絞り込むといった工夫も必要になるでしょう。自社としての優先事項を定め、達成を目指して着実に進めることが大切です。