伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、AI/ロボット事業を手掛ける台湾のベンチャー企業 碩網資訊股份有限公司(英語表記:Intumit Inc., 代表取締役:邱 仁鈿、本社:台湾新北市、以下:Intumit社)のディープラーニング(深層学習)を活用したAI自然言語処理エンジン「SmartBERT(スマートバート)」の販売を本日から開始します。Intumit社が既に提供しているAIチャットボットサービス「SmartRobot」と本エンジンを組み合わせることで、大規模データを活用したAIチャットボットサービスの自動応答において、正答率の向上が期待できます。サービス体系はオンプレミス(2,400万円~)とSaaSタイプ(月額40万円~)の2種類から選択できます。

働き方改革やDXの推進に伴う業務効率化の一環として、各企業では社内やお客様の問い合わせに対するチャットボットの導入が進んでいます。しかし、問い合わせ件数の増加に伴い、適用業務の拡大や新たなFAQデータの追加など、メンテナンス作業も増えるため、チャットボットの運用では自動化と効率化が求められています。

今回提供するSmartBERTは、Intumit社が、Google社の自社検索エンジンに採用している自然言語処理技術「BERT(バート)※1」のアルゴリズムを活用して実装した、次世代型のAI自然言語処理エンジンです。SmartBERTはチャットボットに登録済みのFAQデータや、過去の対応履歴データから文章の相互関係を自動的に学習します。これにより、問い合わせの意図を読み取る精度が向上します。SmartBERTを活用することにより、問い合わせ件数やFAQデータの増加に伴う運用の負荷を低減しつつ、高い正答率を維持し、チャットボットの運用における自動化と効率化を実現します。台湾では同エンジンを活用した大規模なAIチャットボットサービスにおいて、約3,000件のFAQデータを蓄積した自動応答に対して約90%の正答率を維持しており、データメンテナンス工数も、従来のAIチャットボットのエンジンと比べて、50%の削減が実現できています。

ヘルプデスクを始めとした定型的な応答から、複雑な機器の操作方法や不具合の対処方法まで、複雑化・多様化する問い合わせについて自動対応が可能となり、顧客満足度やサービス品質の向上につながります。

CTCは、SmartBERTの日本語化において、パフォーマンスや機能の検証・評価、品質の担保などに試作段階から取り組みました。また、既に2019年からSmartRobotの取り扱いも開始しています。SmartBERTの提供と共に、導入に伴うシステム構築、セキュリティ対策、トレーニング、保守サポートまで、トータルなサービスを提供します。

今後もCTCは、Intumit社と連携し、お客様の潜在的なニーズ推測や多言語の翻訳など、様々なアプリケーションサービスにSmartBERTを活用させることで、お客様のサービス品質の更なる向上やDXに貢献していきます。


※1   BERT(バート): Bidirectional Encoder Representations from Transformersの略で、文章を文頭と文末から読み取ることで、文脈を理解する制度を高める自然言語処理の手法